桜井地区海を守る会(愛媛県今治市)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、愛媛県漁協桜井支所、桜井漁協女性部、ビーチクリーンしまなみ、桜井地区有志等(113名)

● 地域の現状・課題

  • 桜井地区は今治市の東南に位置し、延長約8kmにも及ぶ桜井海岸は、「日本の渚・百選」に選ばれ、中でも志島ヶ原海岸は国の名勝地で約10haの広大な敷地におよそ3,000本の老松があり、海岸は「日本の白砂青松100選」にも選ばれている。
  • かつては桜井地区の沿岸一帯に藻場が広がっていたが、埋立による海の環境の変化等にともない、藻場の面積は大きく衰退した。
  • 地域の水産資源の維持・回復および海の環境保全を目的に、地域の漁業関係者を中心として、平成31年に活動組織を設立し、藻場の保全活動と漂流・漂着ゴミ等の処理を開始した。

藻場の保全活動にかかる関係者打合せ

清掃活動の参加者

● 活動の内容

  • 6月頃に市内島しょ部の港内にて、アマモ花枝(流れ藻)を採取し、海中で種子熟成し、11月頃まで冷蔵保管させた後、陸上水槽へ種子をまき、発芽・育成させ、翌2月頃に沿岸部へアマモ生育株を移植している。
  • 毎年、地元の小中学生を対象としたアマモ環境学習および播種体験を実施している。
  • 桜井海岸および桜井漁港の沖合約4kmに位置する平市島の海岸清掃を実施し、プラスチックや缶瓶などの人工ゴミの他、流木等の自然ゴミの回収・処分を行っている。

アマモ移植

地元小学生を対象としたアマモ環境学習(種取りの様子)

● 活動の効果

  • 活動当初のモニタリング調査では、調査海域内でアマモの生育はほとんど確認されなかったが、年々、確認されるアマモ数が微増加傾向にあり、令和6年6月に実施した潜水調査では、アマモが密集して生育している地点が複数確認され、花枝にはイカの卵の着生が確認された。
  • 地元小中学生への環境学習を通じて、アマモに対する理解の向上が図られ、海の環境問題等に対する意識の向上にも繋がっている。理解度の確認は、学習後のアンケート調査にて実施している。
  • 令和5年度のゴミ処理量は370kgであり、マイクロプラスチックの回収にも力を入れて実施した。

アマモ花枝に産みつけられたイカの卵

清掃活動(平市島)で回収したゴミ