奥尻地区藻場保全活動組織(北海道奥尻町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、ひやま漁協奥尻支所、漁協女性部(239名)

● 地域の現状・課題

  • 奥尻地区(奥尻島)は北海道渡島半島の西部に浮かぶ島である。
  • 地区の磯根漁業では、キタムラサキウニやエソアワビのタモ採り漁業が盛んであり、沿岸には海藻類が繁茂するウニの好漁場があった。
  • しかし、近年はウニ類の過剰な繁殖により、磯焼け状態(藻場の消失)が続き、ウニ類の密度管理などの対応が求められている。
  • そこで、平成25年度に当該組織を設立し、藻場の保全・再生活動を行っている。

ウニ類により磯焼け状態の海底

● 活動の内容

  • ウニの密度管理と海藻の種苗投入をメインに行っている。
  • ウニの密度管理:磯焼け域のキタムラサキウニを対象に、船上からのタモ採りと、スクーバ潜水によって採捕し、他地区に移植している。
  • 海藻の種苗投入:マコンブの種糸(100m)を購入し、15~20cmに切ったものを2本一組として、浮子と沈子を付けて投入している。
  • その他にも、地先の山の牧草跡地にミズナラの苗木を植樹し、豊かな海づくりを進めている。

ウニの採捕(潜水)

ウニの移植

海藻の種苗投入

植樹活動

● 活動の効果

  • 藻場の保全活動を行ったことにより、海藻類の平均被度が4.2%(平成28年度)から21.3%(平成29年度)に増加した。
  • また、平成28年度にはモニタリング地点でコンブ類の生育は無かったが、平成29年度には数地点でコンブ類が繁茂するようになり(最大被度100%)、活動の効果がうかがえた。
  • 今後も、活動を継続し、藻場の再生・保全を図っていきたい。

海藻類の平均被度の推移