● 地域の現状・課題
・北斗市は、北海道の南部に位置し、函館湾及び津軽海峡に面している。
・湾内沿岸部では、ホッキ突き漁が盛んに行われ、湾中央部にかけての定置網では、いわしやカレイ類のほかに様々な魚が獲れ、9月から12月にかけては主に秋サケが水揚げされている。
・アサリ漁は、ホッキ貝の禁漁中の4月上旬から6月上旬までの約2か月間と漁期は短いが、道南では当地域でしか行われていないため、漁の風景は風物詩と囁かれている。
・限られた漁場での操業であるため、漁獲圧が高くなると翌年には水揚げが減少し、資源管理が難しいところである。
アサリ漁の風景
● 活動の内容
度重なる波浪により失った漁場の復元を図るとともに、既存の漁場環境を改善し、良好な底質状態を維持するための取り組み。
・客土は、流失した漁場に砂利を敷設することで漁場の復元を行う。
・耕耘は、漁場に土壌改良剤を散布し、さらに熊手やスコップを使用して撹拌作業を行う。
・モニタリングは、コドラート法による密度調査を行い、現状の把握及び活動の効果を検証する。
客土作業
土壌改良剤(ケアシェル)の散布作業
耕耘作業
● 活動の効果
・客土の効果が表れるのは数年先だが、最も期待できる取り組みと捉えている。
・漁場耕耘は、底質が撹拌され、硫化水素の発生が抑制された。事前に土壌改良剤を散布したことにより、その効果は大きいものとなった。
モニタリング(コドラート法)