石田川自然環境鮎産卵場守る会(滋賀県高島市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、浜分漁協、地域住民(15名)

● 地域の現状・課題

  • 当会の活動拠点である滋賀県高島市の浜分地区は、琵琶湖の北西部に位置し、石田川が流下する。
  • 川の河口部ではアユを対象とした簗漁、追いサデ漁の伝統漁が現在も営まれているが、近年は漁獲量はあるが販売量の減少が続いている。
  • また、琵琶湖の重要な水産資源であるアユを維持保全するため、石田川の下流部は産卵場として保護水面に指定されているが、最近の土砂の堆積でその機能が劣化している。
  • 加えて、漁業者の高齢化や減少により、伝統漁の継続や、また河川や湖岸の環境や景観の保全が困難になってきており、その継承が大きな課題となっている。

● 活動の内容

  • 当会は、特に地域の重要水産資源であるアユの維持保全を図るために、平成25年度に漁協及び漁業者が主体となり設立した組織である。主な活動の内容は、以下に示したとおりである。
  • 河床の耕うん:アユの産卵を助長するために、石田川の産卵場の河床を重機を用いて耕うんする。
  • 保護区域での遡上状態・産卵状況の確認
  • 保護区域(産卵場)の監視:産卵のために河口部に下ってくるアユの密漁を防ぐために、9月~10月にかけて密漁者の監視活動を行う。
  • 清掃活動:河川や湖岸の景観を保全する目的で、草刈りやゴミの除去を実施。景観が良くなることで、密漁の抑止にもつながる。

● 活動の効果

  • 琵琶湖では、近年、アユの産卵量が低下しおり、湖全体での課題である。河床耕うんによる産卵場の改善は、気象条件が良ければ一定の効果が得られることから、今後も引き続き活動を展開していきたい。
  • また、アユの産卵期に保護水面で監視活動を継続的に実施した結果、地域住民のアユや川・湖への関心が高まり、密漁の抑止につながっていると思う。