歯舞地区干潟造成保全会(北海道根室市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、歯舞漁協(93名)

● 地域の現状・課題

  • 歯舞地区は、本土最東端となる根室半島に位置しており、水産業が盛んな地区である。
  • 根室半島北東部にあるトーサムポロ沼ではアサリ漁業が営まれており、当該組織の活動場所となっている。
  • アサリ漁業は冬季の貴重な収入源となっており、毎年、資源量調査を行い、資源管理が徹底されている。
  • しかし、近年はヒトデ類やタマツメタ類の増加による食害が発生しており、これまでにも干潟環境改善のための対策が行われてきた。

活動区域とモニタリング地点

● 活動の内容

  • 干潟を保全し、水産資源の維持・回復を図るために以下の取り組みを実施している。
  • 食害生物の除去(7~11月)
    アサリを食害するヒトデ類やタマツメタ類(卵塊も含む)を除去している。
  • 生物移植(5月)
    近隣地区より購入したアサリ母貝を放流することで、アサリ稚貝の着底を促している。
  • その他にも、過密状態の老貝を間引き、資源の若返り対策も行っている。

食害生物の除去(除去活動の様子とタマツメタ類の卵塊)

アサリ母貝の放流と資源量調査の様子

● 活動の効果

  • 積極的な干潟の保全活動が行われたことにより、アサリ密度の安定化が見られ、平均密度が250~300個/㎡ほどで維持されている。
  • また、歯舞漁協と歯舞アサリ部会の自主的活動として、地元小中学校を対象としたアサリの講習会や潮干狩り体験を開催しており、地元との交流の機会が生まれ、水産や干潟についての普及啓発につながっている。

アサリ平均密度の推移

水産学習の様子(講習会と潮干狩り体験)