● 地域の現状・課題
- 青森県佐井村は、下北半島西側に位置し、津軽海峡に面している。
- 地区の海岸線に沿った浅場には、かつて大型海藻のマコンブが繁茂しており、平成初頭には100トン前後の漁獲があった。
- しかし、近年マコンブが激減し、平成29年の漁獲量が1~2トンになるまで減少した。
- コンブ場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、藻場の回復活動の弊害になっているウニ(キタムラサキウニ)の過剰な食圧が喫緊の課題となっている。
H28.5 磯焼けした海底
● 活動の内容
- 磯焼けしたコンブ場の再生を目的に、平成25年度に会を設立した。
- コンブ場回復の前段階として、小型海藻類の回復を目標とし、ウニの除去活動をメインに活動を展開している。
- ウニの除去は、300mのロープにウニ籠を100~150個結び付けたものを各船1セット用意し実施している。
- 除去したウニの量は、平成28年度が約18.8トン、29年度が約19.6トンであった。
- また、除去したウニはホンダワラ類などの雑海藻の生育する場所に移植し、身入りを良くした後に採取し、出荷している。
籠(カゴ)によるウニ除去
除去したウニ
● 活動の効果
- ウニの除去活動によって、ウニの生息密度は5.2個体/㎡(平成28年)から、4.9個体/㎡(平成30年)となり、わずかに減少した。
- 海藻類の被度は3.7%(平成28年)から、12.1%(平成30年)に増加しており、活動の効果が現れつつある。
- ただし、磯焼け状態は継続しているのが現状であり、今後も活動を続けていく必要がある。
H28.5 モニタリング
H29.2 モニタリング
H30.3 モニタリング