奥戸地区藻場保全の会(青森県大間町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、奥戸漁協、地域住民(320名)

● 地域の現状・課題

  • 青森県大間町は、津軽海峡に面す本州最北端の町であり、奥戸(おこっぺ)地区は町の東側に位置する。
  • 地区の浅瀬には、大型海藻のマコンブが繁茂し、大きな藻場を形成するとともに地区の漁業資源として大切に守り・利用されてきた。
  • しかし、近年、コンブ場が減少し、10年前に100トン程度あったマコンブの漁獲量も、平成28年度には0トンと、現在大きく落ち込んでいる。
  • コンブ場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、回復を遅らせる要因としてはウニ(キタムラサキウニ)による過剰な食圧が喫緊の課題となっている。

● 活動の内容

  • 磯焼けしたコンブ場の再生を目的に、平成25年度に会を設立し、以下の取組を実施。
  • かつてコンブ場だった海域に数多く生息するウニ(キタムラサキウニ)を、カゴによって採取・除去し、その生息密度を減少させる。
  • 除去したウニは、今も海藻(ツルアラメ等)が繁茂する浅場に移植し、水産資源としての活用を図る。

籠(カゴ)によるウニ除去

籠によって除去されたウニ

磯やけ区域のやせたウニ

除去ウニの浅場への移植

● 活動の効果

  • 平成25年度から実施しているウニの除去活動によって、ウニの生息密度が減少(約50%以上)した。
  • ウニの生息密度減少によって、モニタリング定点のマコンブやその他海藻類などの平均被度が92.0%(R4年度)、100%(R5年度)に増加し、活動の効果が現れている。
  • 海藻が繁茂する浅場に移植したウニは、身入りが良くなり、水産資源としての活用が図れるようになった。
  • 活動の効果が磯焼け海域で認められるようになったが、その規模はかつてのマコンブを中心とする藻場には及ばない。今後も、引き続き除去活動を実施し、藻場の再生を図りたい。

H28.09 モニタリング(St.4)

H29.11 モニタリング(St.4)