● 地域の現状・課題
- 下風呂地区は下北半島の北部に位置し、津軽海峡に面している。
- 地区の沿岸にはかつて海藻が繁茂していたが、近年は磯焼けが進行し、海域から海藻類の減少が続いている。
- 多量に生息するウニ(キタムラサキウニ)が藻場の回復の弊害になっており、ウニの過剰な食圧が喫緊の課題となっている。

磯焼け状態の海底(H28)
● 活動の内容
- 藻場の回復を目的として、ウニの除去による密度管理やマコンブの種苗投入を実施している。
- ウニの除去は7~11月頃に実施しており、船上よりウニを採取し、採取したウニは海藻の残る海域へ放流している。
- マコンブの種苗は採苗場にて採苗糸に遊走子を着生させ、12月に生長した幼体が付着した種苗糸をロープに取り付けて海に投入している。毎年50mの種苗ロープを32本設置している。

ウニの採取作業と採取したウニ

種苗糸の作製とロープへの種苗糸取り付け作業
● 活動の効果
- 平成28~31年度にかけて、年間約2,000~4,500kgのウニを除去した。
- 2月モニタリングによる海藻類の平均被度は概ね5%以下で磯焼けが継続していたものの、若干ではあるが小型海藻が増加する様子も見られている。
- ウニの密度は徐々にではあるが減少傾向にあり、種苗ロープのマコンブも生長した様子が確認された。
- 今後も活動を継続することにより、ウニが減少し、磯焼けが改善することに期待したい。

キタムラサキウニの密度の推移(2月モニタリング)

生長した種苗ロープのマコンブ