小川原湖地区漁場保全の会(青森県東北町)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、小川原湖漁協、地域住民(496名)

● 地域の現状・課題

  • 小川原湖は、全国で11番目に大きい汽水湖で、青森県太平洋側の東北町に位置する。
  • 湖内には、シジミやワカサギ、シラウオなどの水産資源をはじめ、多くの生き物が生息する。
  • 特に、シジミの資源量が多く、その水揚量は全国トップクラスである。
  • しかし、近年、シジミ資源量が低下傾向にある。この原因としては、①貧酸素層の上昇による浅場環境の劣化、②底質の硬化、③水草の繁茂・枯死による生息環境の悪化が挙げられ、その対策が喫緊の課題となっている。

シジミ

ワカサギ

シラウオ

● 活動の内容

  • 浅場環境の改善と、シジミ資源量の保全・回復を目的に、平成24年度に当該組織を設立した。
  • 主な活動は、浅場における海底耕うんである。耕うんの目的は、①シジミの潜砂行動を阻害する底質の硬化改善・抑制、②異常繁茂した水草や枯死した水草の除去、③泥化が進行する底質の改善である。
  • 耕うんは、噴流式マンガンを船で曳航する方法で実施。また、耕うん前後にモニタリング調査を実施し、その効果を確認しながら活動を進めている。加えて、耕うんで改善が図られた箇所には、シジミ資源回復を促進させるために、シジミ稚貝を移植している。

噴流式による海底耕うん

シジミ稚貝の移植

● 活動の効果

  • 海底耕うんによって、底質の硬度が改善された。また、泥分も減少した。さらに、水草や枯死した水草も効果的に除去できた。
  • 上記のように、耕うん区においては、浅場環境の改善が図られたことから、平成26年度以降はシジミの生息密度が対照区より高い水準で推移するようになった。また、耕うん区で大型個体が多く見られることから、活動によってシジミの成長・生残が促進されていると評価できた。
  • 今後も、取り組みを継続し、浅場環境の改善とシジミ資源の保全・回復に努めていきたい。

耕うん区と対照区におけるシジミ生息密度の比較

耕うん区のシジミ

対象区のシジミ