● 地域の現状・課題
- 三沢地区は青森県西部に位置しており、太平洋に面している。
- 当地区ではウバガイ(ホッキガイ)漁を行っているが、近年、ウバガイが激減した場所が散見され、全体の漁獲量に影響するようになってきた。
- 以前はマンガンによって砂を深く掘りながら行う漁法だったが、近年、ポンプで表面の砂を飛ばして漁獲する方法に変更したことが、底質に変化をもたらし、ウバガイの生息に影響した可能性が考えられる。
- また、ウバガイなどの二枚貝と競合関係にあるカシパン類の分布も懸念される点である。
- ウバガイなどの資源回復を目指し、海域の保全活動を実施することにした。
保全海域の海底
場所によってはカシパン類が多く集まっていた
● 活動の内容
- 主な取り組みとして、海底耕うんを行っており、深く耕うんするために噴流式マンガンを用い、船で曳く方法で実施している。
- 耕うんの実施場所は協定区域49㎡を4区分に分け、毎年1区分(約12.25㎡)を耕うんし、4年間で49㎡耕うんしている。
- 令和3~5年度にはいずれも8日間実施しており、延べ参加人数は232~324人で、令和6年度は13日間実施し、延べ参加人数は200人、令和7年度は12日間実施し、延べ229人の参加人数であった。
- モニタリングは、ちりとり型の採取器を用いて、0.2m×2mの範囲に生息するウバガイなどの底生動物を採取し、生息密度を調べている。
海底耕うんに使用する噴流式マンガン
モニタリングの底生動物採取
ちりとり型潜砂性動物採取器
● 活動の効果
- モニタリングの結果、令和3~5年度はウバガイの生息密度は、平均で2.5個/㎡(令和3年度)、3.8個/㎡(令和4年度)、4.0個/㎡(令和5年度)と徐々に増加し、耕うんによる効果が出ているものと考えていたが、令和6年度は2.5個/㎡、令和7年度は1.8個/㎡と減少傾向に転じている。
- 近年は、各定点で採取されるウバガイは成貝のみで、幼稚貝が採取されず、再生産による新たな加入が確認されていないことに加え、関係団体で行っているウバガイ資源量調査でも資源量が減少傾向にあり、令和7年度は操業期間を2か月間短縮して休漁した。一方で、生息場所が競合するカシパン類が増加しており、その影響もあるものと考えている。
- そのため、次年度以降も、操業期間を短縮して休漁するほか、カシパン類の除去や方法について、漁業者並びに関係者より意見を集約させ、実行に移したいと考えている。
モニタリング定点におけるウバガイの生息密度(黄色の網掛けは耕うん区に含まれる定点)
令和7年度のモニタリング(定点No.6)における採取生物