● 地域の現状・課題
- 盛川は、北上山地南部の五葉山を水源に、大船渡市街地を流れ、大船渡湾に注ぐ二級河川であり、大船渡市民の憩いの場でもある。
- 盛川には、アユやヤマメ、イワナなどが生息し、県内外からの釣り人で賑わっている。
- 2011年3月11日に発生した東日本大震災と津波により、河川内には大量の流木や漂流物が堆積するなど甚大な被害を受けたが、その後行われた復旧・復興事業により、現在は大凡回復している。
- 当該活動組織は、市民の憩いの場である盛川の環境を守り、後生につなぎたいと云う想いから、盛川漁協や地元釣りクラブ、北里大学海洋生命科学部等によって平成26年度に結成された。
体験学習会の開催模様
● 活動の内容
- 当該組織の活動は、河川清掃による水生生物の生息環境の整備である。
- 河川清掃は、堤外地(堤防より川側)における草木の伐採や人工ゴミの回収を行っている。
- また、清掃区域で水生昆虫や魚類の調査を実施し、河川の生物及び環境を定期的にモニタリングしている。
- なお、平成26~27年度にかけては、ウナギ資源量の減少が全国的に問題となったことから、石倉設置によるウナギの生息環境の整備と普及・啓発活動を実施した。
作業前のKY活動
草木の刈り取り
回収ゴミ
モニタリング調査採集物
● 活動の効果
- 河川清掃によって、河川景観が良くなり、地域住民から大変に好評を得ることができた。
- また、河川管理者の岩手県からも感謝され、連携した取り組みも得られるようになってきた。
- 構成員の北里大学が主体となり取り組む水生昆虫調査では、4,595個体の水生昆虫の生息が平成29年度に確認された。今後も、調査を継続し、これら生物及びその生息環境に異変がないかモニタリングする予定としている。
- 現在、盛川漁協単独で体験学習会や“あゆっこ祭り”を開催している。今後は、河川清掃を通じた普及・啓発活動や教育学習について、組織で取り組めないか検討を深めていく必要がある。
河川清掃前
河川清掃後