桜川多面的機能活動組織(茨城県つくば市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、桜川漁協、つくば市水質浄化対策推進協議会(40名)

● 地域の現状・課題

・桜川は霞ヶ浦に注ぐ利根川水系の一級河川である。

・数十年前まで河川で遊ぶ子供たちの姿がみられたが、現在ではそういった光景は全く見られなくなってしまった。

・住民から川への関心が薄れたため、不法投棄が多くみられ、河川環境は著しく悪化してしまっていた。

・そこで、その現状を打開すべく漁業者が中心となって、昔自分たちが遊んだ川を取戻し、子供たちが安心して訪れることができる川にしたいという思いから活動を開始した。

不法投棄された冷蔵庫

● 活動の内容

・活動は17年前から漁協が独自に河川の清掃活動などを開始し、その後、平成25年から当該組織を立ち上げ、水産多面的機能発揮対策の一環として活動を展開している。

・主な活動は河川清掃、河床耕転、環境体験学習などを行っている。

・その他にも「つくば市水質浄化対策推進協議会」の活動と共同で、河川敷での花畑の造成や幼稚園生に向けたお花見体験なども行っている。

・また、「科学と環境のフェスティバル」に参加し、桜川の環境や河川の重要性などの啓発活動を行っている。

重機による河床耕転

清掃活動

● 活動の効果

・清掃活動により河川ごみの減少や、不法投棄の減少、水産資源の回復(スジエビの増加など)などが効果として挙げられ、それに伴い、河川景観が回復し、地域住民に桜川の大切さを再認識してもらうことができた。

・小学生や地域住民に桜川で遊んでもらえるような環境を整備したことで、より身近に自然を体験し、それによって、桜川の現状とこれからを考える場を提供できた。

・昔ながらの漁法である「四ツ手網」を復活し、かつての桜川の原風景の伝承に一役買っている。

・環境学習や啓発活動の成果によって、年々非構成員の参加人数は、増加しており、今後も様々な人を巻き込み活動を継続させる。

ワカサギとスジエビ

伝統の四手網