● 地域の現状・課題
- 魚津市は富山県の東部に位置しており、富山湾に面している。
- 地区では、海岸浸食による砂浜の減少や、ウニの食害による藻場の衰退などの影響から水産資源が減少しており、漁業者が危機感を募らせている。
- そこで、沿岸環境を改善するため、「魚津市漁場環境保全会」を設立し、保全活動を開始した。
- 当該組織は、山から海までを大きな水環境としてとらえ、豊かな森が豊かな海を育むという考えのもと、上流域における植樹活動や沿岸域における藻場の保全活動などを実施している。
地区の沿岸域の様子
● 活動の内容
- 活動の目的には、沿岸の環境保全や維持管理のほか、水産に関する普及・啓発、漁村文化の継承も含んでおり、市民や子供などが参加できる活動を行っている。
- 藻場を増やす取り組みとして、アカモクやクロモなどの種苗を付けたロープの投入のほか、食害生物のウニの除去も併せて行っている。
- 藻場のモニタリングについては、年2回コドラート法により、約29.5haの活動区域内の16か所で、海藻の被度と高さを調査している。
- 種苗放流については、毎年クロダイとヒラメの稚魚を放流し、放流個体の確認を行うため、モニタリングも併せて行っている。
- 植樹活動は、魚津市を流れる片貝川の上流域で行っており、毎年、サクラやイヌエンジュなどの苗木100本程度を植樹している。高校生など多くの市民に参加してもらい、毎年70名ほどで実施している。
モニタリングの様子
種苗投入
● 活動の効果
- 地点によっては海藻類が増加傾向にあり、活動の成果が表れ始めた可能性がある。
- 小学生や高校生などの市民が活動に参加することで、藻場や海と山の繋がりなどの重要性を知るきっかけとなり、環境保全や水産についての普及・啓発につながっている。
地元高校生による植樹活動