● 地域の現状・課題
・敦賀河川を守る会は、敦賀市内を流れる笙の川流域で活動を行う組織です。
・笙の川を代表する魚は、アユやヤマメなどの渓流魚で、敦賀河川を守る会として、河川清掃や簡易魚道の設置、産卵場所整地など、天然資源増加に向けた活動を行ってきました。
・近年、河川を利用する人が減少しており、河川敷の草木が繁茂し、ごみの不法投棄も増加しています。また、河川の状態も、砂の堆積により石が埋没し、川床が固くなるなど河川環境も悪化している状態です。重機による耕転は効果的ですが、1年ほどで元に戻ってしまうため、抜本的な改善策が必要になっています。
活動開始前の集合写真
河川組合での稚アユ放流
● 活動の内容
・以下の4つの活動を行い、河川環境の整備と、子どもたちへの教育と啓発を図っています。
①河川清掃:区域内の5箇所で草刈りと清掃活動を行い、草木の除去と人工ごみを回収しています。
②放流体験・出前教室:市内2校の小学生を対象に、5月に稚アユの放流体験を実施し、9月に成長したアユやイワナを展示しながら、河川や渓流魚について説明する出前教室を実施しています。
③さかな観察会:市内の幼児・小学生と保護者を対象に、笙の川に設けたプールでのアユとのふれあい体験会を実施しています。
④河床耕転と産卵場所整備:笙の川と木の芽川の合流点で、固くなった川床を重機と手堀りで掘り起こしを行い、河川環境の改良を実施しています。
草刈り・清掃活動
川床の掘り起こし
● 活動の効果
・モニタリングの結果、5定点での水中生物は、カゲロウ類の幼虫やトビケラ類の幼虫が1㎡に262匹確認でき、水質が綺麗な状態に保たれていることが確認されました。
・河川清掃については、定期的な清掃活動の実施により草木の繁茂や不法投棄の増加を抑えられていると推測されます。
・教育・学習活動についても、出前教室、さかな観察会ともに理解度が非常に高いほか、観察会は年々参加希望者が増加しており、満足度も高いことが伺えます。
・河川環境の改良については、魚道の老朽化や砂の堆積などの問題点を河川管理者と協議しながら今後より抜本的な改善を目指します。
水中生物調査
稚アユの放流体験