宮川上流の環境を守る会(三重県大台町)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、宮川上流漁協、宮川上流鮎種苗センター、奥伊勢ライオンズクラブ、NPO法人大杉谷さいこうプロジェクト 他(26名)

● 地域の現状・課題

・宮川は、奈良県と三重県の境の大台ヶ原山に源を発し、大紀町、大台町などを流れ下り、伊勢市内を通って伊勢湾へと注ぐ一級河川である。また、国土交通省が実施する全国一級河川水質現況調査で、何度も水質ランキング1位に輝く清流である。

・活動組織が保全に取り組む場所は、この宮川上流部であり、清流を楽しむアクティビティや、漁協が経営する鮎料理専門店「清流茶屋」など、町の重要な観光資源となっており、河川環境の維持・保全が求められている。

・こうした背景から、漁業者と地域の市民団体などと一緒に、平成25年度に当該組織を設立し、活動を展開することにした。

● 活動の内容

・当該組織が行う保全活動は、河川清掃と水生生物(魚介類)のモニタリングである。

・川の堤内地には、近年の異常気象などによる台風や豪雨災害によって、倒木や鉄材、ブルーシートなどのプラスチックゴミが多く堆積している。これらのゴミは、景観を悪くするだけでなく、川の流れを阻害するなど河川環境にも大きく影響を及ぼす。そのため、これらゴミを回収し、適正処理している。

・他にも、構成員でもある「大杉谷自然学校」の環境教育プログラムにおいて、伝統漁法を教え体験させるなどの協力もしている。

倒木等の回収

堤内地の草刈り

サップによるごみ回収

回収したゴミの搬出

● 活動の効果

・河川清掃は、毎年30haと広い範囲で取り組みを行っている。最近では例年大雨が降り、その度に倒木等が堤内地に堆積し、河川環境に支障をきたしており、今後も引き続き取り組みを行う必要がある。

・環境教育プログラムにおいて協力している伝統漁法「アユのしゃくり」体験は、好評であり、大杉谷自然学校に来る子どもたちの川への関心を高めている。また、大台町や教育委員会と連携し、観光客の誘致の一翼を担うなど、活動の幅が広がっており、今後もこうした協力を行っていきたいと考える。

アユを引っかけて捕る「しゃくり」体験