● 地域の現状・課題
- 岩屋地区は淡路島の北部に位置しており、明石海峡に面している。
- 当海域は播磨灘、大阪湾の中でも優良な漁場を有しており、マダイをはじめ、ヒラメ、マコガレイなどが底曳網漁業で漁獲されるほか、春には多くのイカナゴが水揚げされる。
- しかし近年、様々な要因により水産資源は減少しており、幼稚魚の成育場やイカナゴの夏眠場として機能してきた浅海域の底質は硬く締まり、その機能が失われつつある。
活動海域
● 活動の内容
- 浅海域の環境を改善し、水産資源の維持・回復を図ることを目的に、海底耕うんや浮遊・堆積物の除去を実施している。
- 海底耕うんは4~5月に行っており、鋼製の桁を船で曳く方法で硬くなった海底を耕うんしている。
- 浮遊・堆積物の除去は5~8月頃に、海岸の清掃と船による浮遊ゴミの回収を行っている。
- モニタリングは海底耕うん区と対照区において、潜水目視観察と採泥器による底生生物の採取を実施している。
海底耕うんと使用した桁
海岸清掃後の様子と浮遊ゴミの回収
● 活動の効果
- 海底耕うんなどの活動を行ったことにより、底生生物の出現量(個体数・種数)は増加傾向を示した。
- 特に、魚類の餌料となる多毛類(ゴカイ類)や節足動物(エビ・カニ類の仲間)のほか、良好な底質環境の指標となるナメクジウオが増加しており、活動の効果が表れているものと考えられた。
- 漁業者からも海底耕うんを行ったことにより底質が改善したとの意見が上がっており、今後も活動を継続して環境の維持・回復を図りたい。
底生生物の出現種数の推移