● 地域の現状・課題
- 丸山地区は淡路島の南西に位置しており、鳴門海峡に面している。
- 当海域は砂質底に岩礁が点在する恵まれた漁場となっており、マダコやマダイ、ヒラメ、オニオコゼ、アナゴ、ハモなどが漁獲されている。
- しかし近年、様々な要因により水産資源は減少しており、魚介類の生息場や幼稚魚の成育場として機能してきた砂質の海底は硬く締まり、その機能が失われつつある。
活動海域
● 活動の内容
- 丸山漁港周辺の浅海域の環境を保全・回復するため、海底耕うんや稚ナマコの放流を行うことにした。
- 海底耕うんは10月に実施しており、鋼製の桁を船で曳く方法で硬くなった海底を耕うんしている。
- 稚ナマコは5～6月頃に採苗器の設置を行い、8～10月頃には稚ナマコの採苗状況を確認している。
- モニタリングは海底耕うん区と対照区において、潜水目視観察と採泥器による底生生物の採取を実施しており、冬季にはマナマコの生息状況を確認している。
海底耕うんと使用した桁
マナマコの採苗器と採苗された稚ナマコ
● 活動の効果
- 海底耕うんを行ったことにより、底生生物の出現量(個体数)は増加傾向を示しており、活動の効果が表れているものと考えられた。
- マナマコの分布量については大きな変化はないものの、微増していた。
- 今後も活動を継続し、海域環境の保全・回復を図りたい。
底生生物量(個体数)の推移