● 地域の現状・課題
- 青森県風間浦村は、津軽海峡に面した下北半島の村であり、村の北部から蛇浦地区、易国間地区、下風呂地区の3つの地区からなっている。
- 各地区の沿岸には、かつてマコンブが繁茂し、主要海藻として多くの水揚げがあったが、近年は磯焼けが進行し、マコンブをはじめとする海藻類の減少が著しい。
- 大量に生息するウニ(キタムラサキウニ)が海藻類を食い荒らし、磯焼けの原因となっており、藻場の回復に向けて、ウニによる食圧を減らすことが喫緊の課題となっている。
風間浦村の位置図と協定区域
磯焼けした海底と大量に生息するキタムラサキウニ
● 活動の内容
- 磯焼けが進んだ海域において、マコンブを中心とする藻場の回復を目的として、下風呂地区(8ha)、易国間地区(7ha)、蛇浦地区(10ha)の3地区でウニ(キタムラサキウニ)の除去とマコンブ種苗の投入を行っている。
- ウニの除去は、6~12月にかけて、船上よりタモなどで採取し、採取したウニは海藻の残る海域へ放流することにより行っている。
- マコンブの種苗は採苗場で採苗糸に遊走子を着生させ、12月頃に成長した幼体を付着させた種苗糸をロープに巻き付けて活動区域の海底に投入することにより行っている。
- モニタリングは、ウニの除去を行う前に、下風呂地区(6定点)、易国間地区(6定点)、蛇浦地区(10定点)の合計22定点において、半径5m以内の海藻類の生育被度を観察しているほか、2m×2mの観察枠を用いて、10㎡内に生息するウニの生息密度を確認している。
ウニの除去作業風景
マコンブの種苗ロープの作成と投入作業
除去作業で採集したウニ
モニタリング調査状況
● 活動の効果
- 令和3~7年度では、ウニの除去とマコンブ種苗の投入により、蛇浦地区では海藻類の被度が90%前後と高く、ウニの生息密度も0.0個体/㎡であった。また、易国間地区では、海藻類の被度は、全体的に低いものの、令和5年度以降は増加傾向にあり、ウニの生息密度は減少してきている。一方、下風呂地区では、令和7年度には、ウニの生息密度が低下しているにも関わらず、海藻類の被度が低下しているが、これは、夏季の高水温の影響でウニの摂餌が活発であったことが原因と考えている。
- 全体平均の推移をみると、海藻類の被度は60%前後、ウニの生息密度は令和3年度がやや高いものの、概ね2個体/㎡で推移しており、ウニの除去による効果によるものと考えている。
- 令和7年度のモニタリングでは、蛇浦地区では各定点とも海藻類の被度が高いものの、下風呂地区、易国間地区では無節サンゴモ類が優先し、磯焼け状態の定点が依然としてみられる状況となっていたが、各地区ともマコンブが主な海藻種となっている定点が確認されており、マコンブ種苗の投入の効果も出ているものと考えている。
- これまでの取組により、磯焼けが改善し、マコンブの生育量も増加する傾向にあることから、今後も、ウニの除去とマコンブ種苗の投入を継続して行い、マコンブをはじめとする海藻類の資源回復を目指す。
モニタリングにおける地区別の海藻類の平均被度とウニの平均生息密度の推移
令和7年度のモニタリング結果
種苗ロープで生長したマコンブ
令和7年度のモニタリング定点(蛇浦地区 St.9)の全景