● 地域の現状・課題
- 三厩地区は津軽半島の北部に位置しており、津軽海峡に面している。
- 当地区は、以前より日本海からの漂着物が多い場所となっていたため、漂着物を除去して海域環境を保全することを目標に、平成25年度より本活動を実施した。
- 本取組により、漂着物が大幅に減少したため、平成28年度以降は活動を中断したたものの、再び漂着物が増加傾向になったため、平成30年度から本活動を再開している。
- また、当地区では、若いマコンブを若生コンブとして収穫し、おにぎりを包んで食べる風習があるが、これまで安定的に漁獲していたマコンブやエゴノリが、近年激減し、これら海藻の回復が喫緊の課題となっている。
- その要因としては、近年増加してきているキタムラサキウニの食害が考えられることから、平成30年度よりマコンブやエゴノリの資源量を回復するために、ウニの除去による藻場の保全活動も開始した。
海藻類が減少した海底とキタムラサキウニ
海岸に集まった漂着物
● 活動の内容
- 藻場の保全活動としてキタムラサキウニの密度管理を行っている。
- キタムラサキウニはウニ籠により採取・除去しており、3隻の船が夕方に設置、翌朝に回収する方法で行った。(10月)
密度管理の作業の様子
作業で回収したキタムラサキウニ
- 漂流・漂着物・堆積物処理においては各保全地区において、海岸漂着物の除去を実施した。
- 大型の流木がある地区では、重機を使用し流木の除去作業を実施した。
海岸清掃の様子
重機を使って流木を除去する様子
● 活動の効果
- 藻場の保全については平成30年度におけるモニタリング地点内の小型海藻類の景観被度は27%であった
- 令和3年度~令和5年度の景観被度の平均値は約50%であり、回復傾向にある
- 今後も活動を継続することにより更なる環境の改善を図っていく
平成30年度のモニタリングの様子
令和4年度のモニタリングの様子
- 海岸清掃においては、平成30年度におけるモニタリング地点内のクボガイの生息密度は、平均6.8個体/㎡であった
- 令和3年度~令和5年度の生息密度の平均値は6.9個体/㎡であり、若干ではあるが回復の傾向がみられる
- 今後も活動を継続することにより海域環境の保全を図っていく
モニタリングの様子