● 地域の現状・課題
- 愛南町は、愛媛県の最南端に位置し、リアス式の複雑な海岸線となっている。
- 沿岸地域及び海域の多くが足摺宇和海国立公園に指定されており、造礁サンゴやソフトコーラルを中心とする海中景観から海域公園が指定されている。
- しかし、1990年代からサンゴ食巻貝の増殖が顕著となり、2010年代からはオニヒトデによるサンゴの食害も見られるようになった。
- このことから、サンゴの保全が喫緊の課題となっており、当該組織を設立し、サンゴ礁の保全活動を実施している。
サンゴ食巻貝による食害
サンゴに群がるオニヒトデ
● 活動の内容
- 当該組織は、漁業者のほか、ダイビングショップや海域観光に携わる者、海域研究者などが主体となって設立した。
- 主な活動として、サンゴ食巻貝やオニヒトデといった食害生物の除去を実施している。
- 他にも、環境教育として県内の小学校などを対象としたサンゴ保全活動の紹介や、年に一度はビーチクリーン活動を行っている。
食害生物除去作業の様子
除去したサンゴ食巻貝
酢酸注射によるオニヒトデの駆除
環境学習の様子
● 活動の効果
- 平成28~30年度の3年間に、サンゴ食巻貝2161個体、オニヒトデ307個体の除去を行った。
- その成果として、サンゴの減少が抑止され、平成28年度に22.7%であったサンゴ類の被度が、平成30年度には23.5%とわずかながら増加した。
- 今後もサンゴの保全活動を継続するとともに、地元の小中学校との連携をとった環境教育などの活動も併せて展開したい。
活動により維持されたサンゴ礁(モニタリングの様子)