● 地域の現状・課題
- 安芸地区は高知県の東側に位置し、土佐湾に面している。
- 安芸市の特産品の一つがシラスであり、当地区においても機船船曳網(バッチ網)によるシラス漁と釣りが主な漁業となっている。
- 平成30年7月の豪雨災害によって、安芸市内を流れる河川から多くの流木や漂流物が流出した。
- 当時、漁船や起重機船によって漂流物の処理が行われたものの、多くの漂流物が沈んで海底や海岸などに堆積・埋没してしまった。
- 豪雨災害から2年が経過したが、いまだに台風などの波浪によりそれらが再び漂流し、船の航行や漁業の妨げになる問題が生じている。
安芸漁港のバッチ網船
● 活動の内容
- 安全な航行・操業を行えるように海域環境の保全が求められており、流木などの漂流・漂着物・堆積物の除去を行うことにした。
- 平成30年度に当該組織が設立され、バッチ網によるシラス漁を行う漁業者が主体となって活動を実施している。
- 流木等の回収は、主に船により清掃網を曳く方法で行っている。
- モニタリングは、1月のシラス漁操業時にシラス試料を採取し、1g当たりの個体数から漁獲個体数を算出している。
● 活動の効果
- 令和1年度には、延べ252人、96隻によって流木等を中心におよそ42トンを回収・処理することができた。
- モニタリングは、シラスによる街の活性化を図る「安芸『釜あげちりめん丼』楽会」が協力・連携した取り組みとなっている。
- また、モニタリング結果はシラスの資源管理資料として有用なものとなっている。
- 流木などの漂流物に船舶が衝突すれば、大きな事故や損失になりかねない。今後もこれら漂流物などを除去することにより、海域環境の保全に努めたい。