姪浜干潟等保全協議会(福岡県福岡市)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、福岡市漁協姪浜支所(23名)

● 地域の現状・課題

  • 姪浜地区は、福岡市西区愛宕浜に位置し、市内で唯一博多湾内産の海苔が養殖されている。
  • アクセスが良いことと質の良い漁獲物が揚がるため、朝市が特に人気。
  • 姪浜のアサリは味が良いことで有名であったが、近年は不漁が続いている。
  • 減少したアサリを復活させるために、現在干潟の保全をすることで、アサリを増やすことを目的に活動を行っている。

海中で観察されたモミジガイ (アサリを捕食する食害動物)

● 活動の内容

  • 干潟の保全での活動であるが、活動場所が干上がらない場所であるため、特例として福岡市では浅場の保全という形で活動を行っている。
  • 活動内容は、耕耘、機能低下を招く生物の除去、アサリ稚貝の移植、浮遊堆積物の除去(主にアオサ類)を行っている。
  • 移植に関しては、近年放流効果が見られない。

海底耕耘の作業状況

海底耕耘の作業状況

アサリ移植の作業状況(稚貝採取)

● 活動の効果

  • モニタリング結果によると、アサリは平成28年度の368.4個体/㎡をピークに近年減少傾向が続いており、令和3年度は68.0個体/㎡となった。
  • 食害生物のツメタガイは少なく、ヒトデ類が令和元年度に高い値が示されたが、最大値で0.443個体/㎡とそれほど大きな値ではなく、また、アサリの生息密度との相関も示さないため、アサリの生息密度の低下は食害生物の増加とそれほど関係はないものと考えられる。

    今後の対策

  • 移植しても放流効果が見られない点に関しては、食害防止のカゴ内にアサリを移植して、状況を観察してみる。
  • 新たな着底素材を海中に設置し、天然採苗を行う事も計画中。

平均値にみるアサリと食害動物の生息密度(個体/㎡)の推移

モニタリングの状況