● 地域の現状・課題
- 伊江島は、沖縄本島の本部半島から北西9kmほどの場所に位置する島である。
- 沿岸にはサンゴ礁が発達しており、これまでにもオニヒトデの除去や船のアンカリング対策、海岸・海底ゴミの対策に取り組んできた。
- 1998年の大規模白化によりサンゴ礁が衰退したため、保護区を設けてサンゴの移植、岩盤清掃等を実施。
- ダイビングのアンカーリングによるサンゴの損傷を回避するため、ポイントブイを設置。
- 上記の活動を継続的に実施することで、サンゴ礁は回復中である。
活動海域の様子(モニタリング実施状況)
● 活動の内容
- サンゴ保全活動は7区域(モニタリング)で、岩盤清掃、サンゴ片移植、海岸・海底清掃等を実施。併せて、アマモ場の再生も3区域で実施中。
- 令和3年より、活動組織の強化と活性化を図るため、東京都町田市の玉川学園と協力し、伊江島産サンゴを学園の水槽で育成する移植活動を進めている。これは白化現象への迅速な対応と環境教育への活用を目的としており、令和4年に協定を締結して本格的な移植を開始した。この取り組みは、西松建設(株)および国際航業(株)の技術サポートも得ながら実施している。
- 地元小学生を対象にしたサンゴ学習会と移植用サンゴの苗づくり継続中。玉川学園においては、伊江中学校と水質検査などの共同研究を実施している。
サンゴの移植
岩盤清掃
海岸の清掃活動
● 活動の効果
- サンゴは写真のとおり回復傾向にある。
- 藻場はウミヒルモが増加傾向にあり、リュウキュウスガモも成長が確認された。
- 玉川学園の子供たちの飼育したサンゴは移植に成功した。
- 玉川学園の子どもたちが、取り組み内容を学会や企業、SNSで発信したことで高く評価されている。令和5年度には第26回日本水大賞(公益社団法人日本河川協会)で大賞を受賞し、令和6年度には日本サンゴ礁学会保全・教育普及奨励賞を受賞した。
- 今後もサンゴ礁と藻場の保全・再生に取組み、子供達に美ら海を残すことを目標に、活動の継続的に努めていきたい。
サンゴ礁の経年変化
サンゴ礁の経年変化
玉川学園で育成したサンゴの移植