与那原地区美ら海会(沖縄県与那原町)

● 活動項目

サンゴ礁の保全 他

● 組織の構成

漁業者、与那原西原町漁協、NPO法人グローイングコーラル、(株)キャプテンリゾート、与那原町役場、地域住民(69名)

● 地域の現状・課題

・与那原地区は、沖縄本島の東海岸南部に位置し中城湾に面している。古くから交通の要衝として栄え、近年マリンタウンが整備され中核都市へと急速に発展している。

・ソデイカ漁やマグロ漁が盛んで、ソデイカの水揚量は県内トップクラスである。また、地先の礁原(しょうげん)の岩礁域では、県内唯一のヒジキ漁が行われている。

・町の発展にともなって、水質が悪化し、埋立等で礁原や礁池などが大きく消失した。また、広く分布していた造礁サンゴも、埋立・水質悪化・オニヒトデによる食害等によって消失し、豊かな沿岸が失われつつあり、その保全・再生が地区漁業にとって喫緊の課題になっている。

S52の海岸線(提供:国土地理院)

H22の海岸線(提供:国土地理院)

● 活動の内容

・地元小学生児童やその保護者などと一緒に、養殖した稚サンゴをタイドプールに植え付け、サンゴやそこに棲む生き物について学ぶ「与那原っ子!海を守るサンゴ移植授業!」を毎年1回開催している。

・減少した造礁サンゴの回復を目的に、平成25 年度に育成礁を設置した。育成礁は、オニヒトデによる食害や浮泥の影響を受けないよう工夫した。現在は、この育成礁の維持・管理や移植した稚サンゴのモニタリングを行っている。

①学習会の取り組みの状況

②学習会の取り組みの状況

①サンゴ育成礁の設置作業状況

②サンゴ育成礁の設置作業状況

● 活動の効果

・「与那原っ子!海を守るサンゴ移植授業!」は、15名程度の募集で取り組みを行っているが、学習会のリピート率が高く、今年度は子ども38名、保護者15名の参加が認められるなど、好評である。

・造礁サンゴの回復の取り組みは、平成25年度に移植した稚サンゴの生残率が5年経過後の29年度も80%と高い状態が続いている。また、各群体が確実に成長しており、これら核となるサンゴ群体の産卵による周辺海域への回復効果が期待される。

・今後は、引き続き学習会を開催していくとともに、新たな育成礁設置による造礁サンゴの拡大を図っていければと考えている。

サンゴを守るイベントに参加したいか?

5年後の移植サンゴ(H30.01)