● 地域の現状・課題
・赤須賀地区は三重県北部の桑名市に位置し、伊勢湾奥部に面している。
・木曽三川の豊かな恵みに育まれてシジミ、ハマグリの好漁場が形成され、採貝漁業が盛んな地域である。
・都市近郊に位置することから、沿岸部の開発がすすみ、多くの干潟が失われるに至った。
・赤須賀漁業協同組合青壮年部は、地域の漁業を子や孫につなげていくため、干潟保全や資源管理など多様な取り組みを行っている。
シジミの移植放流
県の機関と連携して漁場環境調査を実施
● 活動の内容
・干潟の保全を目的として、機能発揮のための生物移植、流域における植林および浮遊堆積物の除去等を行い、県の関係機関と連携して干潟の環境や二枚貝生息密度の調査を行っている。
・生物移植:二枚貝の移植放流や種苗放流を行っている。
・流域における植林:流入河川の上流域において、植樹を行うとともに、周辺の伐採など、植樹後の維持管理を継続して行っている。
・浮遊堆積物の処理:河口域の流木やゴミの撤去を行っている。
・多面的機能の理解・増進:地元小学校を中心に、年間約20校程度を受け入れ、干潟観察会等を行っている。
地元小学生とともにハマグリ種苗を放流
上流域における植林と植樹の管理を実施
理解・増進のための社会見学受入れ
● 活動の効果
・移植して生息適地へ分散させることにより、二枚貝の特性である水質浄化機能を活用した水質の改善がすすみ、干潟機能の維持・安定化に貢献できている。
・資源回復とともに密漁問題が発生し、貝類生息密度は必ずしも安定していない。地道な活動によりハマグリを復活させたという自負もあり、引き続き活動をすすめていきたい。
・植林活動を通じて、海と山を結ぶ小学校の交流活動に貢献できている。
・地域小学校の体験教育カリキュラムとして教員に評価され、学校教育に組み入れられている。
・このような取組を通じて、干潟の有する多面的機能と、干潟を守る活動への理解が深まっている。
・引き続き活動を継続し、先人から受け継いだ干潟を守り、次世代に繋げていきたい。
採泥器を用いてのモニタリング
小学校での学習会