● 地域の現状・課題
- 太櫓地区は北海道の南西部に位置し、日本海に面している。
- 地区の沿岸ではホソメコンブやフシスジモクを主体とした2haの藻場が広がっていたが、現在、大規模な藻場の減少がおきている。
- 藻場の減少要因は複合的で複雑であるが、回復を遅らせる主な原因としては、キタムラサキウニの過剰な摂食が課題となっており、その対策が求められている。
- 本地区では、キタムラサキウニの密度管理とホソメコンブ母藻の設置をメインとした藻場回復活動を本格実施している。

ウニ類によって磯焼けした海底
● 活動の内容
- キタムラサキウニの密度管理として、対象範囲のウニ類を潜水により採取(年250kg~500kg)し、海藻が繁茂する海域に移殖している。
- また、藻場の再生を促すために、ホソメコンブの母藻を採取し、ウニ類採取区域に、毎年コンブネット100袋を作成・投入している。
- 加えて、効果を確認するために、海藻被度及び食害生物の個体数の計測を行っている。

ウニ類の密度管理

母藻の採取

コンブネットの作成・設置

モニタリング(海藻被度)
● 活動の効果
- 活動区域における海藻類の被度は、年々増加傾向にあり、平成30年度はホソメコンブや多
年性のフシスジモクなどによって78%となり、活動の効果がうかがえる結果となった。 - 過去に種苗設置したフシスジモクからの2次発生と思われる群体も確認された。これについては、ウニ類の密度管理が有効に機能したと考えられ、今後も引き続き活動を行う予定としている。

海藻被度100%の海底(ホソメコンブ、フシスジモク)