湊の海を守る会(佐賀県唐津市)

● 活動項目

藻場の保全(ガンガゼ駆除、モニタリング)

● 組織の構成

漁業者、佐賀玄海漁協湊支所(10名)

● 地域の現状・課題

・湊地区は佐賀県北西部に位置し、玄界灘に面している。近隣には水質がよく透明度が高いと評判の海水浴場もあり、その神秘的な美しさから観光地としても人気の高いスポットであると同時に、地域住民にとっては慣れ親しみ、大切に守り続けた景観でもある。

・湾内は、波の影響を受けにくい穏やかな環境下で成育したアワビやサザエ、ナマコなどが水揚げされている。  

・近年同地区沿岸では、水温上昇などの環境変化と併せてガンガゼの増加により藻場が急激に減少している。漁獲量も同じく年々下降しており、他の資源にも深刻な影響が出はじめている。          今後の観光保全と資源回復のために、藻場の保全と継続的な活動実施が重要になってきている。  

● 活動の内容

・課題を解消するため、令和2年度より地区の海士を中心とした新組織を設立し、ウニ類の除去活動を開始した。

・藻場の回復を目的とし、磯焼けの一因であると思われるガンガゼを駆除している。確実な成果を出すためにガンガゼの産卵時期が過ぎるのを待った後、活動を開始。ボンベ、素潜りと分かれて浅場から深い岩陰まで隈なく効率的に実施している。手鉤を使用し、海中で潰す方法で駆除を行う。

・活動開始から間もないこともあり、行政等のサポートも積極的に受けながら、より成果へと繋がる活動にするために努めている。

● 活動の効果

・活動初年度であったが、ガンガゼの減少に関しては一定の効果は出てきていると思われる。                しかし、元々のガンガゼの個体数が莫大であったため、藻場の回復に効果がでるまでには相当の時間を要すると考えられる。        よって、今後も継続的な活動が不可欠であることから、先進事例を参考に、また専門家の意見も取り入れながら、引き続き活動を実施していきたい。

・構成員である地元の海士たちは元々連携が取れており、活動を始めることで以前にも増して環境保全への意識が向上している。この意欲的な活動と意識が今後、周辺住民等にも波及することが期待できるところである。