野付地区干潟造成保全会(北海道別海町)

● 活動項目

干潟等の保全

● 組織の構成

漁業者、野付漁協、漁協青年部・女性部(332名)

● 地域の現状・課題

  • 野付地区は、北海道の東部に位置し、野付崎で囲まれる野付湾に面している。
  • 湾内では、ホタテガイや定置網の秋サケが主に生産され、その他にホッキガイ、ホッカイエビ、アサリが水揚げされている。
  • 湾内には二枚貝を代表とする多くの生き物が干潟に生息する。しかし、近年、干潟の地盤高や澪筋などの地形変化に加え、害敵生物の増加やアマモの繁茂エリアの拡大といった環境の変化が生じており、特にアサリなど二枚貝資源への影響が懸念されており、その対策が求められている。

別海町の魚種別漁獲金額(H27) 単位:千円、%

● 活動の内容

  • 干潟環境の変化からアサリ資源を維持・保全する取り組みとして、以下を行っている。
  • 食害生物の除去:アサリ等二枚貝を食すツブ類やタマガイ類を除去し、二枚貝資源の維持を図っている。
  • 機能低下を招く海藻(草)類の除去:干潟地盤高の変化から、アマモ場が拡大し、アサリ等二枚貝の生息場が喪失していることから、拡大を抑止するための除去作業を実施。
  • 耕耘:噴流式マンガンを使用して耕耘し、底質を柔らかくすることにより、二枚貝の潜砂を容易にし、成長を促すとともに、稚貝の定着を促す。

害敵生物の駆除

アマモの除去

● 活動の効果

  • 別海町のアサリ漁獲量は、保全会の設立年(H21)以降、数量、金額ともに増加傾向を示し、安定しており、漁業者が実施している干潟の保全活動の効果がうかがえる結果となっている。
  • 地元の小・中学生に対してアサリや干潟の出前授業を行っている。アサリの移殖作業実習等を通じ地域の漁業に関心を持ってもらうとともに、環境保全の大切さを知る良い機会となっている。

別海町のアサリの水揚数量、金額の経年変化