● 地域の現状・課題
- 泊村は、北海道の日本海に面した後志管内の積丹半島南部に位置した人口約千五百人の自然豊かな村で、37経営体、59名が漁業に携わる漁村地帯であり、道内唯一の原子力発電所を有している。
- 活動組織が属する古宇郡漁協は平成21年に泊村と盃、神恵内の3漁協が合併した。令和2年度の組合員数は118名、販売取扱高は約6億円の組織である。
- 主な漁業は、イカ釣、定置、刺網、及びウニ・アワビ・ツブ等の浅海漁業である。
- 海洋環境の変化等によるサケ・マス・イカ等の回遊性資源の減少や磯焼けによる磯根資源の減少、及び高齢化・過疎化などから、近年は生産量の減少傾向が続き、漁船漁業や沿岸漁業の経営はひっ迫している。
- 漁場は日本海を挟んで外国と対峙しているため、難破した不審船の漂着やトドなどの海生哺乳類の出現、また油濁の発生等が懸念され、安全な漁業活動や漁具の保全、さらに海洋生物の保全の面にも支障をきたす恐れもあることから、被害を未然に防ぎ、少しでも影響を少なくするために水域監視が求められていた。
- そこで、泊村地区では平成28年度に水域監視により海洋生物の保全および漁業活動が円滑に行えるようにすることを目的とした関係者15名の活動組織「泊村水域監視活動組織」が立ち上げられ、活動が始まった。
活動位置図・協定海域(点線内)
● 活動の内容
- 海洋生物の保全と安全操業確保を目的に、水域監視活動を始めた。
- 毎年15名の会員が手分けして、協定水域40㎢内の監視を行った。
泊地区での水域監視活動の様子
盃地区での水域監視活動の様子
泊地区での水域監視活動の様子
● 活動の効果
- 活動が活発になるにつれて水域監視の重要性の認識が深まり、交流や情報交換が進んだ。
- 監視活動の意識の高まりにより、普段から環境異変に注意を払うようになった。
一般航行監視で発見した油膜