● 地域の現状・課題
- 当活動組織のある江差町は北海道の南西部、渡島半島南部の日本海に面した、北海道では比較的温暖な地域で、人口約7千人の町である。かつては北前船の交易で栄え「江差の五月は江戸にもない」と言われるほど賑わった。
- 活動組織が属する、ひやま漁協は平成7年に、檜山振興局管内に8単協あった漁業協同組合が、日本海ます流網の衰退、資源減少に加え日本海南西沖地震の直接・間接的被害により多くの漁業者と漁協経営が逼迫したため、各漁協の経営再建を目的として合併し発足した。令和元年度の組合員は564名、販売取扱高は約25億円の組織となっている。
- 主な漁業はスケトウダラ延縄、イカ釣、磯回りのウニ・アワビ漁等である。しかし、近年の海水温上昇や磯焼による海洋環境の変化によるスケトウダラ・サケ・イカ等の回遊性資源やアワビ・海藻の減少から漁業経営はひっ迫しており、これらの対策が急務となっていた。
- そのため自分たちでできることを検討した結果「まずは自分たちの漁場を守ろう」と関係者が平成28年度に関係者120名の活動組織「江差地区水域監視活動組織」を立ち上げた。

活動位置図・協定海域(青線の陸側)
● 活動の内容
- 海洋生物の保全と安全操業確保を図る目的に水域監視活動を始めた。
- 120名の会員が手分けして、協定水域49.0㎢内の監視を行っている。

水域監視出航時の様子

水域監視活動の様子。遠望は有名なカモメ島。

水域監視活動の様子
● 活動の効果
- 活動が活発になるにつれて水域監視の重要性について認識が深まり、交流や情報交換が進んだ。
- 会の活動が地域の一体感を生み出し、地域活性化に寄与した。

吹雪の中での水域監視活動

帰港時の様子