● 地域の現状・課題
- 奥尻地区(奥尻島)は北海道渡島半島の西部に浮かぶ島である。
- 地区は漁業と観光が盛んな町だが、近年はトドやオットセイによる漁業被害が多発し、水揚げや漁労に大きな影響を及ぼしている。
- また、不審船の情報も多くなっており、過去には木造船の漂着も確認されている。
- これら海獣類や不審船は地区の安全を脅かしており、周辺海域や沿岸の異常を早急に発見・対処できるような体制が求められている。
奥尻島と監視位置
● 活動の内容
- 海域や沿岸の異常を早急に発見・対処することを目的に、平成26年度に組織を設立し、監視活動を行っている。
- 監視活動は2~3月の休漁時に集中して行っており、平成28、29年度にはそれぞれ延べ223名(223隻)が実働した。
監視活動の様子
海獣類の監視
海獣類
監視結果の報告・記録
● 活動の効果
- 平成28・29年度には2~69件の環境異変が報告されており、大半が海獣類の発見であった。平成29年度には海獣類が少なく、報告は2件に留まった。
- 活動を通じて情報を共有することで、構成員の監視活動の意識が高まっている。また、休漁時に出船機会が増えることで地域の活性化にも繋がっている。
- 奥尻町では「地域IoT実装推進事業」を活用して、海域の観測ブイや漁船のGPSセンサーを設置し、漁船位置のマッピングシステムを構築している。今後はこのシステムの活用や、「海の監視ネットワーク強化」の活動を併せて行うことで、より効果的な監視活動を推進する。