● 地域の現状・課題
- 木古内町は北海道の南西部、渡島半島の津軽海峡側に面した、北海道では比較的温暖な農業と漁業の町である。人口は約4千人である。
- 活動組織が属する上磯郡漁協は平成16年に広域合併し、令和元年度の組合員数は181名、販売取扱高は11億円の組織である。
- 地区の主な漁業はウニ・アワビ・ヒジキ等の磯回、コンブ・ワカメ・ホタテ養殖、タコ、刺網等である。ヒジキは肉厚で評判になっている。
- 近年、海水温の上昇に伴い、サケ・イカ等の回遊性資源の減少や浅海域の磯焼けによるコンブ・ウニ・アワビなどの資源量の激減によって漁業経営はひっ迫しており、これらの対策が急務となっていた。
- 漁場である津軽海峡は行きかう船舶も多く、難破した不審船の漂着や海生哺乳類の出現、油濁等の発生もあり、安全操業や養殖施設等の保全および海洋生物の保全に対して懸念があった。
- 被害を未然に防ぎ、影響を少なくするために地域全体で対策に取り組むべく平成28年度に関係者32名の賛同を得て、活動組織「木古内水域監視活動組織」を立ち上げた。
活動位置図
● 活動の内容
- 6~3月の期間に、32名の会員が手分けして協定水域51.2㎢内の監視を行った。
水域監視帰港時の様子
水域監視活動中の様子 遠望は津軽半島
● 活動の効果
- 活動期間中の異変報告は1件と少なく、操業への安心感が高まった。また、自ら行動することで環境異変への関心が高まった。
- 会の活動が地域に一体感を生み出し、交流や情報交換が進むとともに地域活性化に寄与した。
水域監視活動中の様子