函館の海を守る会(北海道函館市)

● 活動項目

国境・水域の監視

● 組織の構成

漁業者、函館市漁協、一般賛同者(22名)

● 地域の現状・課題

・函館市街地東部地区は北海道の南西部、渡島半島の津軽海峡中ほどに面した、100万ドルの夜景で有名な函館山の東側裾野から湯の川温泉に至る沿岸に位置する漁業地帯である。

・活動組織が属する函館市漁協は平成10年に広域合併し、令和元年度の組合員数は165名、販売取扱高は11億円の組織である。

・当該地区主な漁業はイカ釣り・定置・ウニ・アワビ等の採介藻漁業である。

・近年、海水温の上昇に伴い、コンブの葉腐れや根腐れ、ウニのへい死、スルメイカ・サケなどの回遊性魚類の来遊量の減少など、海洋環境の急変が漁獲量の減少を招いており、これらの対策が急務となっていた。

  • そのため、自分たちでできることを検討した結果、「まずは自分たちの漁場を守ろう」と関係者と賛同者により平成28年度に関係者22名の活動組織「函館の海を守る会」を立ち上げた。
  • 活動目的は漁場である沿岸水域の海洋生物の保全と安全な漁業が確保されるよう活動することとした。
  • 活動を行うことで連帯感が醸成されて地域に活力を生むことや、環境保全や地域振興にも寄与できるという認識を共有することも期待された。

活動位置図・協定海域(赤点線内)

● 活動の内容

  • 海洋生物の保全と安全操業確保を図ることを目的として水域監視活動を始めた。
  • 毎年22名の会員が手分けして、協定水域24㎢内の監視を行った。
  • 活動回数は、年間80回に及んだ。

住吉漁港での水域監視出航時の様子

湯川漁港での水域監視出航時の様子

水域の監視の様子。遠望は函館山

● 活動の効果

  • 活動が活発になるにつれて、交流や情報交換が進んだ。また、地域の一体感を生み出し、地域活性化に寄与した。

岩礁地帯を客観的な視点で監視

市街地の沖合は特に注意を払って監視