● 地域の現状・課題
- 根室地区は北海道東部の根室半島に位置しており、根室半島の北側はオホーツク海に、南側は太平洋に面している。
- 当地区の沿岸漁業として、オホーツク海側ではタモ採りによるウニ漁業が、太平洋側ではコンブ漁業が主に行われている。
- しかし、近年は両沿岸ともに藻場が減少傾向にあるため、ウニの品質やコンブ収量の維持が困難になり、漁業に影響が及び始めている。
- これらの解決のためにも海域環境の改善が必要であり、藻場の維持・拡大が課題となっている。

活動区域の位置図
● 活動の内容
- 藻場を保全し、水産資源の維持・回復を図るために以下の取り組みを実施している。
- ウニの密度管理(6月)
高密度に生息するウニをタモで取りあげ、ウニの少ない場所へ移植している。 - 岩盤清掃(11月)
洗耕機を曳くことで、石灰藻などの雑海藻を取り除き、海藻が付着できるように海底表面を更新している。 - 流域における植林(5月)
海藻が育つための栄養塩を少しでも確保できるように、沿岸に流入する河川の上流域に植樹をしている。

ウニの密度管理(タモでの取りあげと移植)

岩盤清掃と植林活動
● 活動の効果
- ウニの密度管理により、活動後にはウニ密度の低減化が確認されるものの、未だに多くのウニが生息しており、活動の継続が必要である。
- 岩盤清掃の実施により、ベニヒバを主体とした海藻は取り除かれ、活動後にはナガコンブの着生が確認されている。
- 植林活動については、森と海の関わりについての理解が参加者にも浸透し、積極的な参加が得られるようになった。
- 今後も活動を継続することで、藻場の回復を図りたい。
