散布海域を保全する会(北海道浜中町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、散布漁協(149名)(サポーター:北海道(釧路水産試験場、釧路地区水産技術普及指導所))

● 地域の現状・課題

  • 散布地区のある浜中町は、北海道東部の根室半島付近に位置しており、太平洋に面している。
  • 活動場所は、汽水湖である火散布沼の沼口部周辺である。
  • 当海域では、接岸する流氷によって海底表面が削られ、付着面が更新することにより、自然にコンブ場が形成されてきた。
  • しかし、20年ほど前から流氷の接岸が減少したため、雑海藻が増殖するなど、コンブが生育しにくくなってしまった。
  • そこで、流氷に代わって人の手で海底表面を削ることにより、コンブ場の保全を図ることにした。

活動海域

● 活動の内容

  • コンブ場の保全を目的に、海底表面を削って付着面を更新する、岩盤清掃の活動を実施している。
  • 岩盤清掃は、洗耕機を船で引きずることにより行っており、冬季に30~40日程度実施している。
  • 1年間に行う岩盤清掃の範囲は協定面積(250ha)の1/5としており、年度ごとに実施範囲を移しながら計画的に活動を進めている。

岩盤清掃の実施状況

使用している洗耕機

洗耕機の岩を削る部分

モニタリングの実施状況

● 活動の効果

  • モニタリングを行ったところ、平成30年度のコンブの平均被度は63%となった。
  • 岩盤清掃を行った地点と行っていない地点を比較すると、岩盤清掃後の3月には両地点ともにコンブの被度は5%ほどであったが、9月の繁茂期には岩盤清掃を行った地点では90%、行わなかった地点では50%であり、差が見られた。
  • 岩盤清掃を行った地点で繁茂期にコンブが多かったことからも、活動を継続することでコンブ場の回復が図れるものと期待される。

岩盤清掃の有無によるコンブ被度の比較