● 地域の現状・課題
- 霧多布西地区のある浜中町は、北海道東部の根室半島付近に位置しており、太平洋に面している。
- 活動は琵琶瀬湾周辺の外海に面した場所で行っている。
- 当海域では、接岸する流氷によって海底表面が削られ、付着面が更新することにより、自然にコンブ場が形成されてきた。
- しかし、20年ほど前から流氷の接岸が減少したため、雑海藻が増殖するなど、コンブが生育しにくくなってしまった。
- そこで、流氷に代わって人の手で海底表面を削ることにより、コンブ場の保全を図ることにした。

活動海域
● 活動の内容
- コンブ場の保全を目的に、海底表面を削って付着面を更新する、岩盤清掃の活動を実施している。
- 岩盤清掃は、洗耕機を船で引きずることにより行っており、冬季に実施している。
- 1年間に行う岩盤清掃の範囲は協定面積(230ha)の1/5程度としており、年度ごとに実施範囲を移しながら活動を進めている。

岩盤清掃の実施状況

洗耕機の曳航状況

使用している洗耕機
● 活動の効果
- コンブの平均被度は平成28~30年度にかけて、5%から45.5%に増加した。なお、平成28年度は海底清掃後の3月に、平成29・30年度は海底清掃前の11~12月にモニタリングを実施した。
- 20地点あるモニタリング定点での最大被度は、平成29年度には40%であったが、平成30年度には100%となる地点も出現した。
- コンブの被度は増加傾向にあり、今後も活動を継続してコンブ場の保全を図りたい。

コンブの平均被度の推移

増加したコンブの様子(モニタリング定点)