霧多布東地区藻場保全活動組織(北海道浜中町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、浜中漁協(85名)

● 地域の現状・課題

  • 霧多布東地区のある浜中町は、北海道東部の根室半島付近に位置しており、太平洋に面している。
  • 活動は浜中湾やその周辺の海域で行っている。
  • 当海域では、接岸する流氷によって海底表面が削られ、付着面が更新することにより、自然にコンブ場が形成されてきた。
  • しかし、近年は流氷の接岸が減少したため、雑海藻が増殖するなど、コンブが生育しにくくなってしまった。
  • そこで、流氷に代わって人の手で海底表面を削ることにより、コンブ場の保全を図ることにした。
  • なお、コンブ場の保全は平成21年度から行われており、平成25年度に当該組織を設立して活動を継続している。

活動海域

● 活動の内容

  • コンブ場の保全を目的に、海底表面を削って付着面を更新する、岩盤清掃の活動を実施している。
  • 岩盤清掃は、SKフープや洗耕機を用いて行っている。
    SKフープ:数本のチェーンを機械で回転させて雑海藻を海底から削り取る。
    洗耕機:キャタピラ等をチェーンで連結した駆除具を船で曳いて雑海藻を削り取る。
  • 1年間に行う岩盤清掃の範囲は協定面積(230ha)の1/5程度としており、年度ごとに実施範囲を移しながら活動を進めている。

SKフープ

SKフープによる岩盤清掃作業

洗耕機

洗耕機による岩盤清掃作業

● 活動の効果

  • 岩盤清掃を行った地区ではナガコンブの着生が良好であったのに対し、岩盤清掃を行っていない対照区では雑海藻が着生するのみで、取り組みがコンブの着生に有効であることが確認された。
  • 平成21年以降、浜中漁協のコンブの漁獲量は高水準で推移しており、岩盤清掃を実施したことでコンブ類の資源を一定量維持することができた。
  • 今後も活動を継続し、コンブ場の保全を図りたい。

岩盤清掃区と対照区のコンブ着生状況の比較

浜中漁協のコンブ漁獲量の推移