● 地域の現状・課題
- 三厩地区は津軽半島の北部に位置しており、津軽海峡に面している。
- 当地区では、若いマコンブを若生コンブとして収穫し、おにぎりを包んで食べる風習がある。
- これまで漁獲していたマコンブやエゴノリが、近年激減してしまい、これら海藻の回復が喫緊の課題となっている。
- 海藻が減少した要因として、数年前にあった冬季の高水温の影響などが考えられているが、近年増加しているキタムラサキウニの食害も懸念される点である。
- マコンブやエゴノリの資源量を回復するために、藻場の保全活動を平成30年度より開始した。

海藻類が減少した海底とキタムラサキウニ
● 活動の内容
- 藻場の保全活動として、海藻の種苗投入やキタムラサキウニの除去を行っている。
- マコンブは、購入した種糸をロープに巻き付けた「種苗ロープ」を数本作製し、水深4~5mの海底に設置した。(12月)
- エゴノリは、8月に採取した母藻を、青森県水産総合研究所において種苗生産・胞子を放出する状態まで生長させ、12月にスポアバッグとして海中に設置した。
- キタムラサキウニはウニ籠により採取・除去しており、22隻の船が夕方に設置、翌朝に回収する方法で行った。(10月)

マコンブ種苗ロープの設置作業

エゴノリの種苗生産

除去したキタムラサキウニ
● 活動の効果
- マコンブの種苗ロープは、翌年2月時点では順調に成長する様子が確認できた。
- キタムラサキウニの除去総量は約8トンであった。
- いずれの取り組みについてもまだ開始したばかりであり、今後の成果に期待するとともに、活動を継続してマコンブやエゴノリの資源量の回復を目指す。

生長した種苗ロープのマコンブ(2月)

モニタリングの様子