● 地域の現状・課題
- 平内町は青森県中央部にある夏泊半島に位置しており、陸奥湾に面している。
- 当海域では平成23年にホタテの大量斃死が発生し、その要因は水温の上昇と考えられている。
- ホタテ資源の回復のためにも海域環境の改善が求められており、藻場保全のための植林や、海岸清掃の活動を行うことにした。
保全海域の海底の様子
● 活動の内容
- 植林は海への栄養塩供給の促進のために実施しており、夏泊半島の植林区域において、毎年、ブナの苗木を300本植えている。
- 植林活動の効果を把握するため、植林区域の下流にモニタリング地点を設定し、海藻類の被度を測定している。
- 海岸清掃は保全海域内の6地区において、それぞれ毎年1回実施している。
- 海岸清掃の効果を把握するため、クボガイの生息密度を調べており、生息密度が増加すれば清浄度も増加するものと想定した。
- 他にも、地域の理解増進のために、藻場保全に関する学習や地曳網の体験学習を実施している。
植林活動
海岸清掃
地曳網の体験学習
藻場のモニタリング
● 活動の効果
- 海藻類の被度については、年による変動もあり、明確な効果はまだ表れていないが、今後の成果に期待したい。
- クボガイの生息密度は、平成28年度から平成30年度にかけて増加しており、海岸清掃の効果が表れ始めていた。
- 学習活動については、毎年150~160人ほどが参加しており、理解の向上につながっているものと考えられた。
クボガイの生息密度(個体数/㎡)