● 地域の現状・課題
- むつ市は下北半島北部に位置しており、当該組織の活動海域は陸奥湾北東側の奥部にある。
- かつて陸奥湾は日本でも有数のアマモ繁殖地として知られており、ホタテやナマコの漁が盛んであった。
- しかし、近年はアマモ類の減少が著しく、アマモ場の回復が喫緊の課題となっている。
- そこで、激減しているアマモ場を昔の状態に少しでも回復させることを目標にして、アマモ・スゲアマモの移植、播種を行うことにした。

活動区域
● 活動の内容
- 活動区域はアマモとスゲアマモでそれぞれ幅50m×長さ700mの区域を設定しており、年度ごとに長さ200mずつの範囲で活動を進めている。
- 移植は6~7月に行っており、採取した天然のアマモ・スゲアマモを潜水により活動区域に移植している。
- 播種は6~7月に花枝を採取し、取り出した種子を10月に潜水にて植え付けた。ただし、平成29年度の残存率が低かったため、平成30年度以降は実施していない。

採取したアマモとアマモの移植

アマモ種子の採取と植え付け
● 活動の効果
- アマモ・スゲアマモは、移植した6~7月からモニタリング時期の12~2月まで残存状況は良好で、80%以上の残存率であった。
- 移植の間隔が広いために被度は2~5%と低いものの、もともと裸地であった海底にアマモ類が着実に残存していた。
- 冬季の波浪の影響もあることから、水深約10mのやや深い場所での活動であるが、アマモ類が残存していることからも今後の増殖を期待したい。

移植したアマモの残存率
