● 地域の現状・課題
- 青森県佐井村は、下北半島西側に位置し、津軽海峡に面している。
- 地区の海岸線に沿った浅場には、かつて大型海藻のマコンブが繁茂しており、平成初頭には100トン前後の漁獲があった。
- しかし、近年マコンブが激減し、平成29年の漁獲量が1~2トンになるまで減少し、令和3年も1トンと低迷している。
- コンブ場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、藻場の回復活動の弊害になっているウニ(キタムラサキウニ)の過剰な食圧が喫緊の課題となっている。

H28.5 磯焼けした海底
● 活動の内容
- 磯焼けしたコンブ場の再生を目的に、平成25年度に会を設立した。
- コンブ場回復の前段階として、小型海藻類の回復を目標とし、ウニの除去活動をメインに活動を展開している。
- ウニの除去は、300mのロープにウニ籠を100~150個結び付けたものを各船1セット用意し実施している。
- 除去したウニの量は、平成28年度が約18.8トン、29年度が約19.6トンで、令和3年度は9.3トン、令和4年度は7.9トンとなっており、近年は減少傾向にある。
- また、除去したウニはホンダワラ類などの雑海藻の生育する場所に移植し、身入りを良くした後に採取し、出荷している。

籠(カゴ)によるウニ除去

除去したウニ
● 活動の効果
- ウニの除去活動によって、ウニの生息密度は5.2個体/㎡(平成28年)から、近年では1.98~2.60個体/㎡(令和3~5年)となり、大きく減少している。
- 海藻類の被度は3.7%(平成28年)から、48.0~73.5%(令和3~5年)に増加し、令和6年のモニタリングではマコンブ藻体の群落も確認されており、活動の効果が現れている。
- 今後も、磯焼け現象を改善し、海藻類の被度を安定したものとするため、活動を続けていく必要がある。

モニタリング調査状況

H28.5 モニタリング

R6.7 モニタリング(マコンブ 1年目藻体)