大間地区藻場保全の会(青森県大間町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、大間漁協、地域住民(596名)

● 地域の現状・課題

  • 大間地区は下北半島の北端に位置し、津軽海峡に面している。
  • かつて、沿岸にはマコンブが繁茂しており、平成13年には250トンほどの水揚げがあった。
  • しかし近年、東側に隣接する易国間や下風呂地区で磯焼けが進行しており、大間海域のマコンブにおいても西側では消失し、東側にわずかな群落が残る程度に減少してしまった。
  • 減少したマコンブの再生が喫緊の課題となっており、岩盤清掃や種苗の投入によってマコンブの再生を図ることにした。

平成30・31年度の活動区域

● 活動の内容

  • マコンブの着生を妨げる要因の一つとして雑海藻の増加が考えられる。
  • そこで、マコンブの生育場所確保のための岩盤清掃を行うとともに、マコンブの種苗投入を行うことによりマコンブの着生を促進している。
  • 岩盤清掃は、チェーンを取り付けたロープを曳航する方法で行い、10~11月頃に実施している。
  • マコンブの種苗は11月に採苗センターにて採苗糸に遊走子を着生させ、1~3月頃に生長した幼体が付着した種苗糸をロープに取り付けて海に投入している。
  • なお、モニタリングは岩盤清掃の前に行い、対象生物であるマコンブを含め、海藻類の被度を測定している。

岩盤清掃の様子と使用したチェーン

種苗糸と種苗ロープの投入作業

● 活動の効果

  • 岩盤清掃を行ったことにより、令和3年度は海藻類の被度は72.6%で、マコンブの被度は5%未満であったが、令和4年度以降は、海藻類の被度が高まっていることに加え、マコンブの被度が20%台で、増加傾向にあり、取り組みの効果が現れてきている。
  • 今後も岩盤清掃と種苗投入を継続することによりマコンブの生育場所を確保し、資源増大を図っていく。

岩盤清掃前と後の海底状況(平成31年度)

モニタリング調査による海藻類、マコンブの平均被度の推移