● 地域の現状・課題
- 易国間地区は下北半島の北部に位置し、津軽海峡に面している。
- 地区の沿岸にはかつてマコンブが繁茂していたが、近年は磯焼けが進行し、マコンブは壊滅的な状況にある。
- 多量に生息するウニ(キタムラサキウニ)が藻場の回復の弊害になっていることは明らかであり、ウニの過剰な食圧が喫緊の課題となっている。

磯焼けした海底と多量なキタムラサキウニ
● 活動の内容
- 磯焼けしたコンブ場の再生を目的として、ウニの除去、マコンブの種苗投入を実施している。
- ウニの除去は9~11月頃に実施しており、船上よりウニを採取し、採取したウニは海藻の残る海域へ放流している。
- マコンブの種苗は10~11月に採苗場にて採苗糸に遊走子を着生させ、12月に生長した幼体が付着した種苗糸をロープに取り付けて海に投入している。

ウニの除去作業

種苗ロープの作製と投入作業
● 活動の効果
- 同じ区域で活動を行っている平成29年度以降の海藻類の平均被度は7.3~8.3%(2月モニタリング)で推移しており、磯焼けが継続していた。
- 一方、ウニの密度は徐々にではあるが減少傾向にあり、種苗ロープのマコンブも生長した様子が確認された。
- 今後も活動を継続することにより、ウニが減少し、磯焼けが改善することに期待したい。

キタムラサキウニの密度の推移(2月モニタリング)

種苗ロープで生長したマコンブ