● 地域の現状・課題
- 青森県風間浦村は、津軽海峡に面した下北半島北部の村であり、蛇浦地区は村の北部に位置する。
- 地区の海岸線に沿った浅場には、かつて大型海藻のマコンブが繁茂しており、平成4年度には100トン以上の漁獲があった。
- しかし、近年マコンブが激減し、10トン程度の漁獲量で推移している。
- コンブ場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、藻場の回復活動の弊害になっているウニ(キタムラサキウニ)の過剰な食圧が喫緊の課題となっている。
H28.9 磯焼けした海底とウニ
● 活動の内容
- 磯焼けしたコンブ場の再生を目的に、平成25年度に会を設立し、ウニの除去およびマコンブ・ガゴメコンブの種苗投入を主に行っている。
- ウニの除去はタモと突き棒による採取を行っており、平成28年度は約4.6トン、平成29年度は約4.2トンを除去した。
- コンブ類の種苗投入は、種苗糸を巻きつけたロープに錘を付けて海中に投入した。
種苗ロープの作成
作成した種苗ロープ
種苗ロープの運搬
種苗ロープの投入
● 活動の効果
- ウニの除去により、生息密度が11.2個体/㎡(平成28年)から1.7個体/㎡(平成29年)に減少、海藻類の被度は28%から76%に増加し、活動の効果が認められた。
- 効果が現れたのは一部の区域のため、ウニの密度管理の目標を1.7個体/㎡以下に設定して、活動を継続する。
- 種苗ロープではウニの食害が確認されたため、設置方法を再考する必要がある。
H28.9 モニタリング
H29.6 モニタリング
生長したコンブ類の種苗