● 地域の現状・課題
- 小川原湖は、全国で11番目に大きい汽水湖で、青森県太平洋側の東北町に位置する。
- 湖内には、シジミやワカサギ、シラウオなどの水産資源をはじめ、多くの生き物が生息する。
- 特に、シジミの資源量が多く、その水揚量は全国トップクラスである。
- しかし、近年、シジミ資源量が低下傾向にある。この原因としては、①貧酸素層の上昇による浅場環境の劣化、②底質の硬化、③水草の繁茂・枯死による生息環境の悪化が挙げられ、その対策が喫緊の課題となっている。

シジミ

ワカサギ

シラウオ

● 活動の内容
- 浅場環境の改善と、シジミ資源量の保全・回復を目的に、平成24年度に当該組織を設立した。
- 主な活動は、浅場における湖底耕うんである。耕うんの目的は、①シジミの潜砂行動を阻害する底質の硬化改善・抑制、②異常繁茂した水草や枯死した水草の除去、③泥化が進行する底質の改善である。
- 耕うんは、専用の道具を使用し、船で曳航する方法で実施。また、耕うん前後にモニタリング調査を実施し、その効果を確認しながら活動を進めている。加えて、耕うん区には、シジミ資源の回復を促進させるために、シジミを放流している。

湖底耕うんの実施状況

湖内に繁茂した水草類の除去状況

移殖用シジミの放流準備

移殖用シジミの放流
● 活動の効果
- 過年度の湖底耕耘によって、底質硬度が改善され、泥分が減少した。また、水草や枯死した水草も効果的に除去されることが確認された。
- しじみ生息密度は、H25(耕うん後)から耕うん区が対照区より高い水準で推移した。また、耕うん区で大型個体が多く見られ、本活動によって成長・生残が促進されていると評価された。一方、R4(耕うん後)で耕うん区が対照区より生息密度が低くなったが、その後高くなってきている。
- 今後も、取り組みを継続し、浅場環境の改善とシジミ資源の保全・回復に努めていきたい。

耕うん区と対照区におけるシジミ生息密度(個/㎡)の比較

耕うん区のシジミ

対象区のシジミ