● 地域の現状・課題
- 青森県今別町は、津軽半島北端に位置し、津軽海峡に面す半農半漁の町である。
- 地区の海岸線に沿った浅場には、かつて大型海藻のマコンブが繁茂しており、そのコンブは良質なだし昆布「今別昆布」として有名であった。
- しかし、平成年代に入った頃から、コンブ場が減少し、コンブ漁も実施されなくなった。
- コンブ場の減少は、近年の気候変動など様々な要因によるものであるが、藻場の回復活動の弊害になっているウニ(キタムラサキウニ)の過剰な食圧が喫緊の課題となっている。

● 活動の内容
- 磯焼けしたコンブ場の再生を目的に、平成25年度に会を設立し、喫緊の課題であるウニの除去活動をメインに活動を展開している。
- ウニの除去は、100mのロープにウニ籠を50個結び付けたものを各船2セット用意し実施している。
- 除去したウニの量は、平成28~29年度は約6~7トンであったが、令和3~5年度は約2トンとなり、令和6年度には0.445トンまで減少している。

ウニ籠(カゴ)の設置

ウニ籠(カゴ)に集まるウニ

除去したウニ

潜水によるモニタリング
● 活動の効果
- ウニの除去活動によって、ウニの生息密度は、令和3~4年度には除去活動区が平均8個/㎡、対照区が6.75~7個/㎡で、対照区の方が少なかったが、その後は逆転し、令和5~6年度では、除去活動区が平均8.5~9個/㎡に対し、対照区が平均10.5~15.25個/㎡で、除去活動区が少なくなっており、活動の効果が得られてきている。
- また、コンブ場の回復に関する効果は、マコンブの被度が令和3~4年度は5%未満であったが、令和5年度が5.2%、令和6年度が5.5%と増加傾向にあり、徐々にではあるが、これまでの活動の効果が出ている。
- 今後も活動を継続し、コンブ場の回復に努めていく。

例1 H28.12 モニタリング

H29.11 モニタリング

例2 H28.10 モニタリング

H29.11 モニタリング