● 地域の現状・課題
- 三沢地区は青森県西部に位置しており、太平洋に面している。
- 当地区ではウバガイ(ホッキガイ)漁を行っているが、近年、ウバガイが激減した場所が散見され、全体の漁獲量に影響するようになってきた。
- 以前はマンガンによって砂を深く掘りながら行う漁法だったが、近年、ポンプで表面の砂を飛ばして漁獲する方法に変更したことが、底質に変化をもたらし、ウバガイの生息に影響した可能性が考えられる。
- また、ウバガイなどの二枚貝と競合関係にあるカシパン類の分布も懸念される点である。
- ウバガイなどの資源回復を目指し、海域の保全活動を実施することにした。
保全海域の海底
場所によってはカシパン類が多く集まっていた
● 活動の内容
- 主な取り組みとして、海底耕うんとウバガイの移植を行っている。
- 海底耕うんは、深く耕うんするために噴流式マンガンを用い、船で曳く方法で実施している。
- ウバガイの移植は、禁漁区において8cm未満の出荷サイズに満たない貝を採取し、放流している。
- モニタリングは、ちりとり型の採取器を用いて、0.2m×2mの範囲に生息するウバガイなどの底生動物を採取し、生息密度を調べている。
海底耕うんに使用する噴流式マンガン
移植放流するウバガイ
モニタリングの底生動物採取
● 活動の効果
- 海底耕うんは、平成28~30年度にかけていずれも8日間実施しており、延べ参加人数は170~190人であった。
- ウバガイの移植は、基本的に1隻あたり100kgほどの移植量であり、45~84隻の参加で年間におよそ4.5~8.4トンが移植できた。
- モニタリングの結果からはウバガイの増加は認められておらず、根気よく活動を継続することで、ウバガイの資源増加を図りたい。
海底耕うんの活動日数および参加人数