● 地域の現状・課題
- 宮古湾は岩手県の中央東部に位置しており、太平洋に接続している。
- 地区の多くの干潟では、東日本大震災(平成23年3月)の津波の影響で砂が流出し、底質が礫に変化した。それに伴い、アサリ等二枚貝が減少し、稚貝の発生量も少なくなっている。
- 加えて、サキグロタマツメタの増加がアサリ等二枚貝の回復の妨げとなっている。
- そこで、機能低下した干潟や減少した二枚貝等の回復を目的として、干潟の保全活動を行うことにした。
現在の干潟の様子
● 活動の内容
- 平成25年度に当該組織を設立し、サキグロタマツメタ等の生物除去をメインに活動を展開している。
- 生物除去は貝桁網の曳網やジョレンにより行っており、耕うんも兼ねて実施している。また、夜間にタモ網(徒歩)による生物除去も行った。
- その他にも、砂泥の移動防止の被覆網の設置や、アサリ種苗の放流、保護区域の設定などを行っている。
曳網による生物除去
タモ網による生物除去
被覆網の設置
モニタリング
● 活動の効果
- アサリは確認されるものの、十分な回復には至っておらず、サキグロタマツメタ等の生物除去を継続する必要がある。
- これまでの活動により、サキグロタマツメタ除去の効率化が進んでおり、夜間にタモ網による方法が最も採集個数が多かった。
- 津波により底質が変化している場所も多いため、客土による底質環境の改善も検討の余地がある。使用する砂は波浪による流出を考慮し、粒径を選定する必要がある。
除去したサキグロタマツメタ