遊佐町海づくりの会(山形県遊佐町)

● 活動項目

藻場の保全 他

● 組織の構成

漁業者、山形県漁協、NPO法人みなと研究会、地域住民(38名)

● 地域の現状・課題

・遊佐町は山形県の最北部に位置し、日本海に面している。

・かつて、地区の沿岸には藻場が広がっており、ハタハタの産卵場となっていた。

・しかし、近年は藻場が減少して産卵場として利用されなくなったほか、アワビ、サザエなどの餌料環境への影響も懸念される。

・この問題を解決するために、減少した大型海藻の母藻の設置による種の供給や、小型巻貝やウニ類などの食害対策を図り、藻場の回復を促進させる必要がある。

海藻が減少した海底の状況

● 活動の内容

・平成25年度に組織を設立し、藻場の保全として以下の活動を実施している。

・母藻の設置として、近隣海域に生育しているアカモクなどのホンダワラ類を採集し、コンクリートブロックに取り付けたものを活動海域に投入した。

・食害生物の除去として、小型巻貝とバフンウニを対象に、素潜りにより除去した。

・平成29年度にはおよそ1,000kgの母藻設置を行い、小型巻貝1,068個、バフンウニ647個を除去した。

・モニタリングとして、母藻投入地点周辺に定点を設け、海藻類の被度や食害生物の計測を行った。

母藻の準備

母藻の投入

● 活動の効果

・保全活動によって、成熟したアカモクや、再生産されたアカモク幼体が着生し始めた。

・モニタリング定点でも被度が増加しており、徐々に活動の効果が現れてきた。

・活動を継続し、さらなる藻場の回復を図る。

成熟したアカモク

再生産したアカモク幼体

モニタリング定点の被度階級の変化