鹿島灘多面的機能活動組織(茨城県鹿嶋市)

● 活動項目

海難救助訓練

● 組織の構成

漁業者、鹿島灘漁協(56名)

● 地域の現状・課題

・鹿島灘地区は茨城県の南東部に位置しており、東側は鹿島灘に面している。

・当地区では遊漁船が多く、南北に広がった砂浜でも釣りや海水浴、サーフィンなどの客が多く集まっている。

・しかし、岸から沖に向かう流れも多く見られ、海難事故も多々発生している。

・海難事故に際しては漁業者が対応する事も想定されるが、救助方法等の知識が不足しているため、関係機関とともに訓練を実施することにした。

海域の状況

● 活動の内容

・海難事故の救助を漁業者でも行えるよう、平成25年度に組織を設立し、海難救助訓練を行っている。

・1年に1回訓練を実施しており、1回につき、約50名、35隻程度が参加している(平成28・29年度)。

・訓練では海上保安署や無線の専門家が参加し、AEDを使用した心肺蘇生訓練や事故防止のための指導、無線機の取り扱いの指導などを実施している。

①海難救助訓練の様子

②海難救助訓練の様子

①AEDを使用した心肺蘇生訓練

②AEDを使用した心肺蘇生訓練

● 活動の効果

・訓練では具体的な海難事故を想定し、船から無線局への緊急通報、漁協から海上保安署への通報、無線局から各船への無線通信、要救助者の救助、流出油の回収など、一連の救助活動を通して行っており、救助活動の理解が深まった。

・平成29年度には実際に遊漁船の火災事故や釣り人の落水事故が発生し、訓練の手順に従い計15名を無事に救助した。

・実際の海難事故では想定していないことが起きる。例えば、漂流者が浮き沈みし、手順通りの救助ができない。今後は、事故の状況になるべく近づけた訓練を工夫しながら行う。

漂流者(ブイ)の回収